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平井和正の「近況+」過去ログです。

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 2002/03/01  べべちゃんの春


三月だ。実は二月のうちから春めいていたが、今日からは名実ともに春である。二月は悲痛な思いで過ごしたが、寒い冬は人々が逝く季節でもあり、春を迎えるとほっとする。メイパパさんも服喪が明けて、第二子誕生、おめでたいことである。
画面のべべちゃん、曜曜社の女性編集者ヤマダさんの作だ。触手もちゃんとついていて可愛らしい。しまりすさんの二次元べべちゃんが大人気になり、しまりすさんのサイトは賑わっている。マル由さんの急逝でこちらのサイトが湿っていたせいもあって、時折可愛らしいべべちゃんの姿を覗きに行ったものだ。この三次元べべちゃんも眺めていると心がなごむ。
デスクの上にべべちゃんを這わせていると、何時の間にかお皿の中におさまっていた。もちろんサッチャンの仕業である。画像の「宇宙人ピピ」バッジはNHKがノベルティーグッズにした超レア物。もちろんご存知ない方々の方が大半であろう。TBSの「エイトマン」の後、小松左京原作の「宇宙人ピピ」を一年間手伝った。実写とアニメを合成した珍しい作品だった。富田勲の明るく軽快なテーマソングを聴いた人もいるのではないか。
  
 2002/02/17  こよなく晴れた青空を


「∞(インフィニティー)BLEU」というタイトル、実は最初あまり自信がなかったのである。なんだか淋しい感じのタイトルじゃないかなあ、と忸怩とするものがあった。きっとBLUEという言葉に引っ張られたのであろう。ところが、七月鏡一さんが美しいタイトルと褒めてくださったので、気が変わった。七月さんは無限の蒼穹のイメージを受けたらしい。こよなく晴れた青空を/哀しと思うせつなさよ そんな歌詞の歌があった。確か長崎の原爆被災を歌ったものだと記憶する。今度のマル由さんの「唐突な死」で、坂道を登りながら真っ青な雲一つない青空を見上げると、そんな歌詞が蘇る。あまりにも澄明な青空はやはり哀しさを帯びている。
画像は、曜曜社さんからサインの旅の差し入れに頂戴したものだ。美しい壜である。しかし、帰宅後体調を崩したこともあって、まだ開栓はしていない。
こんな場所で明らかにするのもなんだが、マル由さんはメガビタの恩恵にはついに授かれなかった。医師が点滴に許可した分量は最大でわずか一日二グラム、経口では激しい腹痛と吐き気でメガビタを受け入れられなかったマル由さんにとって回復の道は遠すぎた。ポーリング博士が癌患者に与えた一日数百グラムのメガビタとはあまりにも程遠い。
今後もこよなく晴れた冬空の青さを仰ぐたびにマル由さんを想うだろう。


  
 2002/02/08  サイン漬け


作家生活四十周年記念第一企画「予約版出版幻魔大戦DNA全六集」の第一弾が出来上がってきた。約束どおり、第一集にサインをした。この近況ファンの皆さんが楽しみにしていた平井和正の書痙、見事に皆さんの空振りに終わったことをご報告したい。書痙どころか、指が痛むことさえなかった。神様は私の味方なのである。本は期待に違わぬ素敵な出来ばえ、印刷所の皆さんの気の入れ方がひしひしと伝わってくる。特典を揃えて(全集を入れる函は別に伸童社さんデザインで最後に送付されるとのこと)今月十六日、ヤマト運輸が一斉に発送する。予約なさったかたはお楽しみに。正直言って、私自身二千部に近い大量の本に、これほどたやすくサインができるとは予想しなかった。その中で、私が楷書で書いたサイン本が十点ほどあるはずだ。これが当たった方には、更に特典・・・ということはないが、おめでとうございますと申し添えておきたい。四桁のサイン本となると、頭が茫っとなってトランス状態になり、空海の書体になる、ということもないが、スタンプ係の曜曜社小林さんは、スタンプロボットになり、まだサインしていない本に危うくスタンプするところであった。本当にトランス状態になってくるのである。
そして、作家生活四十周年第二弾は、「∞BLUE」の四巻本になる。さらに最新作「ストレイ・シープ」を書き上げて(千三百枚!)絶好調らしい平井和正なのである。なお、第一弾特典の「BLUE HIGHWAYS」は、第一弾の特典のみとなり、「∞BLUE」には含まれないので、平井和正の唯一の付録小説になるだろう。

  
 2002/02/02  籠の中の鳥は


我が家の庭先にやってくる野鳥はサイズ順にいうと、鴉(一番憎憎しい暴力団)鳩(鈍感)鵯(ヒヨドリ、愛嬌ある喧嘩好き)椋鳥(徒党を組む愚連隊)雀(群れを成して訪問、横並びの典型、一羽がパニくると全員に波及)目白(愛くるしいのに大胆不敵。サッチャンが庭に出てきても平気)。サッチャンのお気に入りはなんといっても目白でカップルはメイちゃんとジロちゃんと名前までついている。雀は朝一番に押しかけてきて電線に目白押しになり、黙々と給餌を待つ。入り乱れてついばむが目白が混じっていても気にしない。サッチャンの目の敵はもちろん鴉。ついで椋鳥。徒党を組んで他の小鳥を追い払う暴力団と愚連隊だから。椋鳥もカラスの一族である。下品で声が悪く、暴力性が共通する。そして鳩。大食いで雀二十羽分を食らってしまう。雀たちがあぶれてウロウロしているのが憐れ。最大のお気に入りはなんといっても目白にとどめをさす。可憐で大胆。この組み合わせは蠱惑なのである。
画像の鳥籠は、大食いで下品で凶暴な連中を締め出す仕掛けだ。恐れを知らない目白は図体のでかい連中の入れない隙間からするりと入り込み、大好物の蜜柑をついばむ。雀たちは果物に興味がないので、事実上独占である。他の連中はなんとかして食らおうと逆さまにぶらさがったりして、くちばしを突っ込むがうまくいかずキーキーわめく。目白の幸せはわれわれの幸せでもある。他にコゲラという野鳥も訪れるが、何をしているのかさっぱりわからない。


  
 2002/01/24  電子ブック・プレーヤー


サッチャンがおかもとさんに教えられて、スペイン語の電子辞書があることを知り、文字通り欣喜雀躍した、その日のうちに西語ソフトをネットで注文。わくわくしながら待つこと数日、注文の西語辞書が配達された。ところが、それは電子辞書ではなかった。電子ブック・プレーヤーのソフトだったのである。私に置き換えれば、作家の酒見賢一さんから送られてきたCDソフト、それは酒見さんの知友のアーティスト、高橋美加さんの「メドゥサ」というアルバムなのだが、生憎わたしの持っているソニーのCDラジカセは恐ろしいほど好き嫌いが激しく、気に食わないCDに対してはNO DISKと冷ややかに表示し、まったく相手にしてくれない。なぜこのキカイが酒見さんの知友であるアーティスト、高橋美加さんを嫌うのか、見当もつかない。私の愛するアンドレ・ギャニオンのCDも、およそ基準のわからぬ好き嫌いで排除しやがりますので、私は大好きな「風の道」を聴くことができないのだ。まあ、そんな具合で、私は大好きな「風の道」も聴けず、いまだに高橋美加さんの「メドゥサ」も聴けずにいるわけだが、最初のテーマに戻ると、サッチャンは西語辞書のソフトはあるが、ハードがない。耳に押し当ててもだめなのである。そんな次第で、ネットを調べていると、これは電子ブック・プレーヤーというハードがないことにはまったく無用の長物だとわかった。私は寡聞にして電子ブック・プレーヤーの存在についてまったく無知であった。なぜなら、電子ブック・プレーヤーというハードは、数年前にソニー主導でスタートしたのだが、電子辞書に席巻され、片隅へ追いやられてしまったらしいのである。他メーカーは速やかに逃亡し、今はソニーだけが寂しく孤塁を守っている有様。というのは私の想像に過ぎないのだが、電子辞書が三千円で売っているのに、電子ブック・プレーヤーのソフトは一万円近くするし、ハード本体ときたら、もっともっと高価なのだ。しかし、サッチャンの悲嘆を放置しておくと私はそれに数倍する悲嘆を味わわねばならぬことを長年の経験上知り尽くしているので、一番手っ取り早い解決法を選んだ。それがご覧のサッチャン所有のノートの上に鎮座しているソニー製の電子ブック・プレーヤーなのだ。家庭の幸福に比肩するものはこの世にありませんなあ。

  

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