2001/10/29
作家デヴュー四十周年
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最新作を脱稿すると同時に、文章を書くのがひどく億劫になった。言霊が去ったのである。何をするのも億劫で、とりあえず懸案のワープロ専用パソコンの構築に取り掛かることにした。言霊が活動時には到底できなかった作業である。PENTIUM4、発熱量が大きいのでMICRO−ATXのケースは無理だと言われていたが、作業デスクトップを馬鹿でかい筐体に占領されるのはどう考えても嬉しくない。これまで使用していたお気に入りの小型ケースになんとしてでも押し込めることにした。無理は承知で強行したのだが、思ったよりすんなりと納まってしまった。そんなに大げさに発熱することもない。ただ9センチの大型ケースファンがうんざりするような騒音を立てる。一方ではPENTIUM4のでかいPCUファンは停まっているのか回っているのかわからないほどおとなしい。そこでパソコン雑誌で得たウラワザで、供給電源を12ボルトから5ボルトに下げてやった。これでおとなしい静粛パソコンの出来上がり。夏場にならなければわからないほどの発熱状態で当座は安心。こういう作業は言霊が停まっている合間に大急ぎでやってのける。ところが、パソコン知識が二年ほど古くなるのが難点なんだなあ。 黒色ケースのパネルに貼ってあるシールは、マザーボードメーカーのもの。二年経つとケース内部のマザボメーカーの名前がわからなくなる。夥しい取り説に紛れたら最後、一切メーカー名の印刷のないマザボは手に負えん。二年経つとパソコン知識が揮発してしまうのだ。(ため息) 以上、手づくりパソコンに興味のない方々には申し訳なかった。以前にも書いた通り、新しい作品を生み出すにはどうしても新しいワープロ特化パソコンを必要とするのである。こいつで続々と新作を生み出すつもりでおります。 さて、新作専用パソコンの脚下に堆く積み重なっているのが、問題の最新作品。タイトルは「∞(インフィニティー)BLUE」。「21世紀8マン?」と冒頭に振っておこう。 ところで、明くる年の2002年は私平井和正の作家デヴュー四十周年なのである。デヴュー作は1962年、「SFマガジン」に掲載された「レオノーラ」、アンドロイド美女の切ない物語であった。そこで、「作家四十周年記念出版」を計画している。お楽しみに。
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