2001/09/17
新刊がやっと出ます
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久しぶりの新刊であります。本来なら「幻魔大戦DNA」篇十三巻が昨年から今年にかけて集中豪雨的に出版されていたはずなのだが、版元がコケて悪夢に変わった。作家にとり、版元が潰れるほど恐ろしい悪夢はまたとないのである。十三冊の本を営々と書きつづけて二年間。それが壊滅すれば、経済崩壊が始まる。スタンダード・タイプの作家なら執筆に七年以上かかるだろう。すべての努力が水の泡。 昨年は破局の年だったのだが、気を取り直して長編と短編集、及び最新作の執筆に取り掛かった。その最新作、冬が到来する前には完結しているだろう。 で、その「作品集」がこれ。掘り出し物に入れた「ストレンジ・ランデヴー」が大好評だったので、更に中短編を二作書き下ろして一冊にまとめた。「鏡の中の少女」「待っている」の二作が新たな書き下ろしだ。私という作家に取り憑いている時間の短絡感覚をテーマにしたものだ。必見のあとがき、集英社さんの特別のご好意を得て、自主出版「完全予約版幻魔大戦DNA」の出版告知を許可して戴いた。本当に大変ないきさつがあったのである。企画自体が潰れるところだったのだ。 作家にとって、本が出せない時代、氷河期の到来だ。この二年ほどで作家同士の献本は激減した。一桁落ちたのだ。この自主出版、時機を得て意外に広まるかもしれない。 それにしてもアメリカの悲劇、サッチャンからアメリカで恐ろしいことが起こった、と知らされた瞬間、あっ、核テロと直感した。直感が外れて本当によかったなあ。
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