2001/02/07
真冬の珍客
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意識の空隙を突くように、意外な椿事は勃発する。サッチャンが信じられないようなことが起きた、と仕事中の俺に知らせにきた。仕事中は絶対に邪魔をしないように、との取り決めがあるので、慌てて階下へ降りてみると、この厳寒のさなかにカナヘビがリビングルームのフローリングを走っていた。もちろんカナヘビは小型のトカゲであり、冬眠する。間違っても雪がどかどか降るような真冬には起きてこない。一瞬、こやつ、テレポートでもしてきおったか、と思ったのは否めない。チョロチョロとすばやく逃げ回るスピードは冬眠中どころではない。ふたりがかりでやっと取り押さえるとカナヘビくん、掌の暖かさが気に入ってやっとおとなしくなった。サッチャンが推察するには、昨年暮れ、大型の植木鉢をリビングに持ち込んだ、という。その際、冬眠中のトカゲがリビングの暖かさで目が覚めてしまい、春がきたと思い込んで飛び出してしまったのではないか。ま、そんなところが真相であろうと思う。 我が家では、息子のアラタが小学生時代、カナヘビを捕まえては飼育していたが、こやつらが脱走して、家中をチョロチョロ走り回っていたことがあった。ゴキブリホイホイで捕まったまま、ミイラになっていたりした。それ以来のカナヘビくんの捕り物であった。
話は違うが、「季刊・本とコンピュータ」という雑誌から、アンケートの原稿依頼があった。その雑誌(2001冬)の巻末にある「本とコンピュータ関連年表」には1994年の「ボヘミアンガラス・ストリート」の日本初の本格的な電子本販売、アスキーの電子ブック販売(当時は一般ジャーナリズムでかなり取り上げられた)にはまったく触れられていない。1995年3月の電子書店パピレス開店が日本初のように扱っている。作成は湯浅俊彦、永江朗とあるが、故意に無視しているのか、それとも何も知らないのか、どちらだろう。
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