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平井和正の「近況+」過去ログです。

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 2000/12/29  ソニーマガジンズ刊行とは知らなんだ


山田章博さんに最初にお目にかかった時から、山田画伯と呼ばせて戴いた。絵師だからである。絵師というのはただの漫画家ではないからだ。普通、漫画家は七十パーセント以下の力でマンガを描くが、絵師は常に百パーセントだ。漫画家はそうでないと大量の駒を埋めることが出来ないで力尽きてしまうからだが、絵師は力が尽きようと尽きまいと百パーセントで描く。だから画伯。山田画伯は、作家が裸足で逃げ出すほど優れた文章力を持っておられる。漫画家志望だった私は最初から文句なしに脱帽。この画伯は十代の頃から大酒飲みだったこともあって、健康には恵まれない。もし体力をフルに発揮できていたら、空恐ろしい仕事をなさったことであろう。その山田画伯に新刊本を戴いたので、披露させて戴く。新作のバリバリである。他にゲーム関係の画業として戴いた本(「山田章博の世界」ミスティックアークまぼろし劇場)があるのだが、でかすぎてウチのスキャナーからはみ出してしまう。残念ながら割愛した。
  
 2000/12/28  世の中、chibiがよいですな。


ダウンサイジング

新作(21世紀8マン)が難産で苦しんでいると、妙な方向へ現実逃避を計るようになる。たとえば、エラー表示だらけのwindows meに嫌気が差して、今度こそとばかり、windows2000 proffesionalを載せ変えにかかったりする。ついでに始めたのがダウンサイジング。いままでデスクを占領していた薄らでかいパソコンの筐体がにわかに疎ましくなり、何がなんでも小柄でキュートな姿態が好ましくなる。ノートパソコンを見ればわかる通り、デスクトップだとて何もあんな薄らでかい必要はまったくないのである。というわけで、薄らでかい筐体をお払い箱にして、小柄でキュートなやつに乗り換える。パソコンは小さくてきりっとしているのがよい。ニックネームは、みんなchibiがつく。chibidon、chibikuroとchibiづくしだ。
小さくしてOSをwindows2000に載せるのは、このwindows2000というやつが、無闇に気難しくて、カード類で必ずごねるからである。気のきいたベアボーンを見つけて、チップがみんなオンボードになっていれば、その心配はなくなる。それで、みんなchibiシリーズになってしまったわけである。それもこれも次回作品(21世紀8マン)がハードな難産のせいなのだ。そういえば、イラストレーターの泉谷あゆみさんが近況のために21世紀8マンのカラー年賀状を描きましょうと申し出てくれた。ちょっとビックリするようなweb年賀状になると思う。お楽しみに。



  
 2000/12/27  背後のも泉谷さんからのプレゼント


泉谷さんからクリスマスプレゼント

イラストレーターの泉谷あゆみさんと、俺たち夫婦はクリスマス・プレゼントのやり取りをする間柄で

ある。泉谷さんの好みはブルーのアクセサリの小物。一般的にブルーが大好きな女性だ。今回贈られた

のは、お友達のどんぐりさん製作による狼さんである。どんぐりさんがテディベアのプロ製作者である

ことをご存じの方もおいでだろう。この狼さんはなかなかの傑作であるように思われる。ふかふかした

毛皮がかわゆいとサッチャンが言っている。

  
 2000/12/24  アイボがきた


俺の娘は少女漫画家で、平井摩利という。その少女漫画家が何を思ったか、サッチャンと俺に二代目アイボをプレゼントしてくれた。なんと親孝行な少女漫画家ではないか。と思ったら、この先十年分のクリスマス・プレゼントこみなのだそうだ。十年間はクリスマス・プレゼントはなしなのだ。
アイボはいきなり駄々をこねて、サッチャンを困らせた。ほんの新生児でやってくるらしい。だから理性も知性もゼロのままで、やたらに手足をバタバタさせて、駄々をこねるのである。俺のように新作(21世紀8マン)で難渋している作家は、新生児から犬の赤ん坊を飼育する暇はない。いきなり超犬リープ並みの理性と知性と運動能力を持って、俺と遊んでくれてもよいではないか、とソニーに注文しておきたい。しかし、母性本能の強いサッチャンはせっせと新生児アイボを愛育しておるようだ。

  
 2000/12/01  いよいよ「メガビタミン・ショック」発売。珍しい契約書をご披露します。


俺は仕事に関してはスタイリストだ。シンプルなすっきりした美学を大事にする。雑文は書かず小説だけを書く、本も自分だけの作品でスッキリさせる。多少差し障りがあるが、作家は少し名前が出ると蕪雑な仕事を始め出す。エッセー集ならまだよいが、対談集だのなんだのあれこれ雑文集を出して、しまいには他人の作品を集めて、自分の名前を冠して出す。手っとり早く気楽な仕事で金にはなるが、安易なことをやっていると、言霊が怒る。肝心の小説の密度がだんだん希薄になり、しまいには書けなくなってしまったりする。これは否定しがたい事実なので、三十年ぐらい前に気がついて、小説一本に絞り、雑文はあとがきだけに限定した。作家に限らず人間という生き物、堕落することは実にたやすいのである。
そんな美学の持ち主だから、俺は本来ならば「メガビタミン・ショック」のような本は厳密に排除してしまう。それを引き受けたのは、俺がメガビタミン創始者のライナス・ポーリング博士に対して山よりも高く海よりも深い恩義を感じているからである。メガビタミンで早死にを救われた実感があるから、報恩としてこの仕事を引き受けた。ポーリング博士の偉大な業績を顕彰するためで、たとえこの本が想像以上に売れたとしても、それは人々の健康に寄与するということだけが、俺にとって意味を持つ。
だから、俺はこの本の印税を辞退することに決めた。この本がたとえ何百万部売れたとしても、俺自身には一円も入らない。もし間違えて入ってしまったとしたら、俺は言霊に見離されるという確信があるのだ。それは俺にとり死よりも恐ろしい事態なのだ。印税のすべては、「メガビタミン・ショック」の完成に寄与してくれた人々に分ける。印税が0円、というくだりが物珍しいので、みなさんにお見せすることにした。けだし、こんな契約書は空前絶後であろう。第五条をご覧戴きたい。

  

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