2000/11/25
お待たせして申し訳ありませんでした
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難産だった「メガビタミン・ショック」
くやしいのである。十月半ば刊行予定だった「メガビタミン・ショック」十一月末のどんづまりまで追い込まれたことがくやしい。猛烈にくやしい。十二月は本の売れない月であり、それがゆえに本の刊行を急がれた駿台曜曜日社さんに申し訳がない。なぜなら私はデビュー以来四十年近く、一度として締め切り破りで本の刊行予定を遅延させたことがないのをプロの誇りにしてきた作家だからである。しかし、マンガの余湖裕輝氏は猛烈に忙しい猛暑のさなかよく頑張ってくれた。出来ばえは私の予想通りだった。表紙の可笑しさは何度でもくすくす笑いが漏れる。握り寿司をほおばる8マン、そして寿司職人は頑固一徹おやじのポーリング博士・・絶妙のカヴァー絵だ。残念ながら、実際にデザインされると絵は縮小され、平井和正の名前ばかりがバカでかい。これは決して私の意志ではありません。私は作家でも自己顕示欲が乏しいほうなんです。(ほんとだったら! )「ビタミンC情報室」の掲示板に書き込んでくださった沢山の方々に感謝また感謝。実際、ずらずらっと並べるだけでも可笑しい、しかも有益な情報の山です。衆知を集める、という私の狙いがまさしく的中した企画でした。受け売りが皆無なのが、この本の大きな特色。ポーリング博士の言葉は宝の山です。受け売りというのは本質的にパクリですからね。クレジットなしのパクリ屋の言葉は厳密に排しました。世間一般のいい加減な「メガビタ本」とは一味もふた味も違うというのがプライドです。
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