2000/09/10
とんちゃんイエス、かー公ノー
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サッチャンが近況に出没しているらしいので、サッチャンが餌付けしたトンビのとんちゃんの話をする。とんちゃんは油揚が大好きだ。コンクリートの電柱のてっぺんに座り(そんな感じなのだ)さあさあ、来てあげましたよ、と大声で呼ばわる。とにかく脂っこいものに目がない。普通の菓子パンを与えても渋々という気分をあらわにして取りに来る。台に載せておくと急降下、滑空して巧妙に攫って行くのである。最初にやってきたのは七、八年前だったろうか。小振りのトンビを連れてきたと思うと、それは若鳥だったらしい。しかし、翌年には親と区別がつかなくなる。そんな繰り返しで一座がふくらんだ。一方、片瀬山にのさばる烏軍団が餌を盗みにくるので、とんちゃん一座も気が抜けない。台に油揚を載せる前に滑空が始まり、烏はいったん餌台に載ってから嘴でくわえて行かねばならないから、タイミングの良さでトンビの勝ち。それがずっと続き、前年、異変事が生じた。なんといきなり二十羽ほどのトンビの大集団が出現し、朝から晩までクレクレタコラの大合唱。こちらはたまらず、これはあんまりだ、ひどすぎる。この大合唱を明日も明後日もやる気か、鳥の神様に言いつけてやるぞ、と家の中で叫んだ。すると、みるみるうちに、大集団は消えてなくなり、翌日からただの一羽も姿を見せなくなった。誓っていうがこれは実話であります。鳥の神様はとんちゃんたちを強く叱ったに違いない。鳥の神様って実在するのだと考えざるを得ない。しかし、ワルモノ軍団のカラスどもは、いくら鳥の神様にいいつけても効果がない。ふてぶてしい悪党どもだから、鳥の神様のおっしゃることを無視するのであろう。人間の場合も同じだな、と考えたりするのであります。カラスと人間はみんな知らないが近縁種なのであろうと思ふ。しかし、片瀬山は一丁目の新林公園の入り口あたりに、七、八年前は空を暗くするほどの大集団が棲息しておりました。今は見るかげもありません。片瀬山のカラスの個体数が激減しているのは事実。ひょっとして人間も、とついつい考えてしまうなあ。
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